magellan beyond immagination

CONTACT
アマンコラ パロ トレッキング “タイガーズネスト”
2018.03.07
ACTIVITY, DISCOVERY

アマンコラ パロ トレッキング “タイガーズネスト”

2011年のブータン国王夫妻の訪日、そして2017年に眞子様がブータン訪問されたことでも話題となったブータン。97%の国民が『幸せ』と回答するこの国は、長年の鎖国を経て、“世界一幸福な国”と言われている。

その幸福の国ブータンに、公用語ゾンカ語で「聖地巡礼」を意味するアマンコラが、人の心を惹きつける観光箇所が点在するブータンの魅力を、それぞれの場所に快適に滞在しながらゲストに感じてもらおうと、趣きの異なる5つのロッジで迎えてくれている。
それぞれ、城砦を模した石造りのアマンコラ ティンプー、伝統的な農家を改築したアマンコラ プナカ、仏教の聖地でワンデュチョリン宮に隣接して建ったアマンコラ ブムタン、松林に佇むアマンコラ パロ、そして野生動物の保護区に位置し、谷を一望できるアマンコラ ガンテの5か所である。

トレッキング "タイガーズネスト"

今回紹介するエクスペリエンスは、空の玄関口であり、アマンコラの旅の最終日には必ず宿泊することになるアマンコラ パロでのアクティビィティ。

標高2,520mにあるアマンコラ パロから2,950mの“タイガーズネスト”と呼ばれているタクツァン僧院まで、標高差400メートルの山道を4~5時間程度かけて登るハイキングで、アマンコラ滞在のハイライトとして、ぜひとも体験していただきたいアクティビティだ。

タイガーズネストはブータンに仏教を広めたと伝えられる祖師パドマサンババ(グル・ポチェ)が、虎の背に乗って舞い降りたという伝承から仏教の聖地となった場所。

1998年に全焼し、国中の願いをかけて6年後に再建された寺院は、「グル八変化相(はちへんげそう)像」「ドルジ・ドロの堂」「大黒天の堂」「菩薩堂」「土着神の堂」などを持ち、いずれも贅沢に顔料と金粉をつかった、極彩色の廟となっていて、荘厳な雰囲気が漂うチベット仏教の聖地とも言える場所だ。

2018年の年明け早々に、憧れだったアマンコラに滞在。タイガーズネストへのハイキングは、人で混み合う日中の時間を避けるため、早朝にアマンコラ パロを出発した。
標高が高いため、時間をかけながらゆっくり針葉樹の森の中を歩き、途中レストハウスに立ち寄りながらゴールであるタクツァン僧院を目指します。歩を進めるうちに、スタート時には点にしか見えなったタイガーズネストの様子が、徐々に確認できるようになってくる。麓から1時間半弱で、第一展望台のレストハウスに到着。展望台からは、谷を挟んだ向こう側の崖に僧院の全貌を見ることができ、ようやく半分程度まで登ったかとの思い。
ここまででまだ半分ほどの道のりとは言え、目的地に近づいてきたことを実感し、胸の高鳴りが増していく。可愛い猫ちゃんに癒されつつ、しばしの休憩。

当日は同行してくれたガイドさんも驚くほどの晴天に恵まれ、右を見れば絶景の雲海が眼下に広がり、左を見れば小さかったタイガーズネストを目の前に拝むことができる。タイガーズネストは崖の上にあり、絶壁にへばりつくように建つ僧院の姿は圧巻の一言。第一展望台からは、絶壁と滝と渓谷を眺めながらさらに登ること約2時間、クライマックスには、修行を思わせる700段の階段が!これを登り切り、目指すタクツァン僧院にようやくたどり着いた。

途中、チベット仏教圏ならではの、お経が書かれたタルチョというカラフルな旗が至る所に見られ、晴天の青空に風で揺れる光景がとても綺麗で、何度も目を奪われた。
「馬が風に乗ってお釈迦様の教えを遠くまで届けてくれますように」との願いが込められており、青・白・赤・緑・黄と決まった順番で、自然界の五大要素である、天・風・火・水・地を意味しているそう。
帰りがけに、私も願いを込めて、記念に旗を結んできました。あまり知られていませんが、道中にはジョ・ケンポ大僧正(ブータンの宗教界の最高権威)が生まれたお堂なども建っている。
そして下山する時は、頂上へ向かう地元の子供から80歳くらいのご老人達とすれ違い、「クズザンポー(こんにちは!)」と笑顔で挨拶を交わす。
現地の言葉での挨拶も、また旅の醍醐味ではないだろうか。

今回歩いた距離は約1万8千歩。アマンコラ滞在中のハイキングでは一番大変だったが、僧院に到着したときの達成感と不思議な幸福感は、訪れた人でないと感じることのできない、本当に贅沢な感覚だった。
「聖地へは自分の足で歩いて行ったからこそご利益がある」と言われますので、ご自身の足で挑戦していただきたい。

2016年には国交樹立30周年を向かえ、益々深まる日本とブータンの親交。
東洋最後の秘境と呼ばれるブータンに、極上のサービスと大自然を満喫する巡礼の旅に出られてはいかがだろうか。